Profile
HPをご覧くださり有難うございます。
はじめまして、セラピストのMAKIと申します。少し長くなりますが、私のことをお話させてください。
戦うことでしか守れなかったもの
幼い頃から、いつもどこか満たされず自分の居場所がないように感じていました。
寂しさや不安を抱えながらも、それを悟られまいと平気なふりをすることが次第に上手くなっていったように思います。
そんな私が初めて存在意義を見出したのが仕事でした。
努力すればするほど成長を感じたし、求められ、認められることが嬉しくて、夢中になりました。
年々、仕事の幅も役割も増え、多忙で忙殺される毎日でも、達成感に溢れていました。
しかし、気付けばその重圧が増し、息苦しさを感じることが多くなっていったんです。
可能性や喜びに溢れていたはずが、ただ責められないことに安堵する――そんな日々になっていきました。
それは、かつて夢中になっていた自分とは、まるで別のものでした。
あの頃の私は、常に戦闘モード。気が張り詰め、頭は休むことなく動き続け、夜になっても眠れず疲れは溜まるばかり。体は鉛のように重く、気力だけでどうにか乗り切る毎日でした。
激しい胃痛にも悩まされ、何度検査を受けても異常は見つからない。生理痛や頭痛も当たり前で、いつも薬が手放せませんでした。
何かを愉しむ余裕もなく、常に体調への不安を抱えながら、プレッシャーに押しつぶされそうになりながら激務をこなす日々。
そんな風に身体が悲鳴をあげていても、がむしゃらにやって当たり前という価値観で生きてきたから、「できない」なんて言えなかったし、言いたくなかった。
ただ、ひたすらに続けること――それが、あの頃の私にとっての正義でした。
きっと、自分の存在意義を守るために必死だったのだと思います。
しかし、そんな状態で物事がうまくいくはずも続けていけるわけもなく、ついに限界を迎え、休職せざるをえなくなりました。
鬱やパニックも発症し、精神的にも肉体的にもつらく苦しい時間を長く過ごしました。
挫折の先にようやくたどり着いたこと
療養を経て、気持ちを新たに復職したものの、気付けばまた以前と同じような状況になっていました。
先々を考えれば、もうこんな自己犠牲的な働き方は続けられないと分かっている。
それでも、これまでの自分を否定するようで、なかなか受け入れることができませんでした。
「頑張れ」「負けるな」と励まされ、苦労が美徳とされる時代を生きてきたからか、「自由に、好きにやろう」という世の中の価値観の変化にもうまくのれず、むしろ苦しさを感じてしまう。
どうしてこんなに不器用なのか――自分自身にほとほと嫌気がさしました。
それでも何とか踏ん張り続ける中で、ふと「自分の努力だけではどうにもならないことがある」――そんなごく当たり前のことが、ストンと腑に落ちた瞬間がありました。
頑張っても報われない。世の中の不条理を目の当たりにする。そんな出来事が積み重なり、何度も心をすり減らしていくなかで、ついに限界を感じたのです。
「もう、この生き方しんどい」それが素直な気持ちでした。
そのとき、ようやく気付きました。
知らず知らずのうちに、「こうあるべき」「こうでなきゃ」という理想像を自分に課して、ずっと無理をして生きてきたことに。
がむしゃらに走れば、どこかで何かが報われる――そう信じていたけれど、そうではなかった。
そこではじめて、これまでどれだけ自分を置き去りにして生きてきたんだろうと考えました。
どこを目指し何をしたかったのか――それさえ分からなくなり、ひどく虚しくなりました。
でもそう気づけたら、もうこれ以上自分を傷付けていけないと思えたんです。
私の人生を生きれるのは私だけなのだから、「もっと自分を大切にしたい」と心から思うようになりました。
そこから、心身の調子を整えながら自分に無理のない在り方を探そうと、世の中で良いとされる食事法やボディケア、セミナーなどあらゆる方法を試すように。
しかし、一時的に調子が良くなってもすぐに元に戻ってしまったり、身体の調子が安定しないのにマインドだけ変化するわけもなく、体調と向き合いながら試行錯誤する日々が2年ほど続きました。
諦めかけた時に出会った希望
もう、このままこうやって生きていくのかな――半ば諦めかけた頃、旅先のスリランカで、ごく自然な流れでアーユルヴェーダに出会いました。
アーユルヴェーダとは、一人ひとりが豊かな個性という前提のもと、食事や生活習慣、オイルケアなど多角的かつ具体的な方法で、より良く生きるためのコツを教えているもの。
専門家の判断のもと私の性質にあわせた包括的なプログラムが組まれ、滞在わずか1週間でも驚くほど心身が軽やかに。
独自のアプローチからもたらされる心身の感覚に、これまでのものとは明らかに違う何かを感じました。
そして何より、自然の摂理に従って生きるというアーユルヴェーダの考え方が、それまで逆境でも荒波でも気合と根性で乗り越えようとしてきた私の意識を根本から変えてくれました。
流れに抗わずうまく乗っていくという本質的なことに気付かせてくれたんです。
アーユルヴェーダの哲学と包括的なアプローチ、これなら変わっていけるかもしれない――そんな希望を感じました。
身体の変化がもたらしたもの
帰国後、心の赴くままにアーユルヴェーダのスクールに入学。
学びを深めながら、その教えを日々の暮らしに取り入れることで、少しずつ不調が改善され疲れにくく元気になっていきました。
体調への不安がなくなると気持ちも前向きに変化。
寝て過ごすしかなかった休日に予定を入れてみたり、 やってみたいと思うことが増えて日常を愉しめるようになりました。
ピンと張り詰めていた頃から比べると、随分と柔らかく穏やかな自分になったと感じます。
そして何より大きかったのは、日々のケアを続ける中で “内側” に意識が向き、自分への愛着が生まれたこと。
たとえ不甲斐ない時があっても、不器用でうまく立ち回れなくても、どんな自分も自分として認め、赦せるようになったことで、肩の力が抜け、生きることがぐっとラクでシンプルになったように思います。
根底にあるのは「自分を裏切らない」という思いです。
この思いがあるから、どんな時も自分を後回しにせず、体調の波や環境の変化にもうまくバランスを取りながら向き合えるようになりました。
今まで、自分で自分に高すぎるハードルを貸していたんだと、ようやくそのことに気付いたんです。
誰かのために、そして私のために
まるで運命に導かれるように出会ったアーユルヴェーダ。
強引に引き寄せられたといっても過言ではないほど。
もともと私は、先々どうなるかまで慎重に考え最適な選択を導きだそうとする思考型の人間。それまでの私なら、きっと「今は必要ない」と判断していたと思います。
それなのに、なぜかあの時は、ただ流れに身を任せてみようと思えた。不思議なものです。
がむしゃらに頑張らなくても、気付けば、人や出来事、たくさんの素敵な出会いやご縁に恵まれ、新しい人生が動き出していました。無理をしなくても、自然とよい循環の中で生きていける――今は、そのことを心から実感しています。
苦しかった時間があったからこそ、今も私は「自分を整えること」を何より大切にしています。
それは誰かのための前に、まず自分を後回しにしないということ。
その土台があるからこそ、自分のありたい姿を体現できるようになり、同じように悩む誰かを支えたいという想いが、自分の中で確かなものになっていきました。
拗らせながらも自分と向き合うことを諦めなかった経験もすべて含めて、私だからお伝え出来ることを大切にしていきたいと思っています。
伝えたいこと
めまぐるしい時間と情報の渦にいると、ふと、生きている感覚が薄れていることに気付く瞬間があります。
すぐに手に入る情報は便利さもある一方で、知らない誰かと比べて落ち込んだり、こうでなくちゃと自分を追い込んだり、溢れる情報にしんどさを感じることもあるかもしれません。
「自分らしくありたい」と願いながらも、そもそも ”自分らしさ” が何なのか分からなくて、余計に苦しくなってしまうことも。
人生の中間点にいるとなおさら、これまでを振り返り、「これで良かったんだろうか」「これからもこれでいいんだろうか」と漠然と不安を抱くこともあります。
だからこそ、そんな時こそ、身体のケアを通して自分のことをもっと深く知ってほしいと思います。
自分の内側の声を無視して生きることで傷つくのは、結局は自分自身です。
だから、身体からのサインや湧き出る感情に蓋をせず、ちゃんと聞いてあげてほしい。
身体のケアは、ご褒美でも贅沢でもなく、これからあなたがあなたらしく生きていくために欠かせない過程です。
自分に合った方法で、今の状態に必要なアプローチを続けていくと、身体は比較的シンプルに変化してくれます。
その変化を実感しながら自分と向き合っていくことで、いつの間にかマインドや見える世界までも変わっていきます。
そして、そんな時間を積み重ねることで、自分への愛着が深まり、芯はいつでも自分の中にある感覚に育っていきます。
時にゆらぎ迷うことがあったとしても、いつでも立ち戻れる安心感が生まれます。
サロン名に込めた想い
iha(イハ) とはサンスクリット語で「ここ、この場所」という意味。
周りの価値観や溢れる情報、過去への後悔や未来への不安に振りまわされることなく、今ここにいる自分の気持ちを大切にしながら、心地よく日々を過ごせるように。
その積み重ねが、やがて自分らしい人生を紡いでいくことに繋がる――そんな願いを込めて、サロン名を付けました。
深呼吸したくなるような心地よさのなかにいると、本当は嫌でやめたいと思っていたこと、ずっとやりたいと思っていたこと、自分の奥深くに眠っていた本当の気持ちをふと思い出すことがあります。
ふわっと軽やかに、前に踏み出してみたくなったりも。
不調を手放した先であなたがあなたらしく心地よく生きていけるように。
その新しい一歩を踏み出すサポートが出来れば嬉しいです。

2020年
– 英国アーユルヴェーダカレッジ認定 Ayurveda Beauty & Massage Therapist
– 英国アーユルヴェーダカレッジ認定 アーユルヴェーダライフカウンセラー
2022年
– 整顔クラニオ脳セラピー認定セラピスト
2021~2022年
– 英国アーユルヴェーダカレッジ アシスタント講師
2023年にサロンをオープン。アーユルヴェーダのみならず、現代栄養学や東洋医学などの学びも深め、サロンワークに活かしている。